連載「HRT音声分析って、なんだろう?」 14
精神科医 Kさんとの意見交換 前編 山田 剛
HRT音声分析を日本に紹介し始めた2007年の年末に、
HRTセッションを体験したKさんは精神科医。
当日は、スタジオで、様々な意見交換を行い、
専門家の視点での貴重な意見や感想を伺うことができました。
その後も、年末年始にかけて、SNSで意見交換が続いたのですが、
面白い内容だったので、一部抜粋して紹介したいと思います。
■山田 SNS日記
今日、HRTセッション体験にいらっしゃった方は、
精神科のお医者さんでした。
HRT分析データの解釈やセッション体験に興味を持っていただけたよう。
鬱の人が回復プロセスをたどる際、
新たな目標・目的を設定できないケースが多いのだとか。
鬱になる以前の状態で目指していた目標を繰り返すと、
精神的に無理な状態に逆戻りするというパターンが多いので、なかなか難しい。
そのため、新たな指針を見つけ出すための手助けが必要となるのだが、
そのプロセスのサポートとして、HRTが活用できそうですねとのご意見。
確かに、自分のリソース状態をデータで確認することで、
自分の状態を客観的に知り、
フィードバック・セッションで調和したバランス状態に導かれるということは、
精神的にバランスを崩した人にとって、
自然で無理のないアプローチなのかもしれない。
コーチングとHRT、カウンセリングとHRTなどの組み合わせは、
今後、ニーズが高まっていくかも。
■Kさん 返信
山田さん、セッションありがとうございました。
そーなんですよ。
うつの人のあの「とらわれ」の硬さったらないです。
自分は能力がない、
もっと頑張らなければならないのにできないと自分を責める・・・・。
それに無理があったから病気になったのにね。
でも言葉で言ってもなかなか腑におちてくれないんです。
HRTは声を録音するだけでいいからラクだし、
ヴァイブラサウンドはそれを身体に教えてくれるので、
今までの自分から抜け出やすくなるのではないかと。
私もサウンドファイル聴きながらいい応用法を考えてみたいと思います。
■山田 <治るとは「元に戻る」ことではなく、「先に進む」こと>
昨年末、HRTセッションを体験した精神科医のKさんと
意見交換した内容を思い出していた。
あの日のお話で、興味深かったのは、
治るということは、「元に戻る」と同義ではないということ。
なんとなく、元に戻ることが「治ること」という感じに
認識している人が多いような気がした。
(又は、元には戻らないまでも、元の状態に近づくこと・・・みたいなニュアンス)
その考え方だと、健全な状態は「過去の状態」であって、
治療は、不健全な状態(病)を元に戻すことみたいなイメージ?
でもこれって、「怪我」の場合だよね。
精神的な症状の場合は、
過去の状態が「不健全」だったため引き起こされるものであり、
健全な状態(治る)は、「未来」に存在するもの。
治療とは、戻すのではなく、「先に進む」サポートをすること。
つまり「治る」ことによって、
「別の存在」に変容することと言えるかもしれない。
現代医療にせよ、代替療法にせよ、ヒーリングにせよ、
手段は違うけど、同じことを提供しているんだなと再確認。
「そんなこと、いまさら・・・」などと思わず、
もう一度、自分を見つめなおしてみるキッカケにでも!
僕は改めて「自分の中で、変容できることはあるかな?」って、考えてみた。
もしかしたら、これこそが一番の予防医療なのかも?
(次号へつづく)
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